【その他】福岡県エルピーガス厚生年金基金理事長、反対押し切りファンド購入

福岡県エルピーガス厚生年金基金の理事長・寺崎和典容疑者(70歳)が金融商品を購入した見返りに、東京のコンサルタント会社の社長・染谷訓容疑者 (48歳)から現金100万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された事件で、寺崎和典容疑者(70歳)が基金内の反対を押し切り、ファンド購入に踏み切って いたことが分かりました。

警視庁と福岡県警の合同捜査本部は寺崎容疑者が便宜を図った見返りに染谷容疑者に賄賂を要求したとみており、現金は別の銀行口座を経由して寺崎容疑者が経営していた会社の口座に振り込まれていたということで、不正の発覚を免れる工作だった可能性があるとみて調べています。

捜査関係者らによりますと、同基金は2009年8?9月、染谷容疑者を通じ東京都内の投資顧問会社と投資一任契約を結んで同社のファンドを購入しようとしましたが、基金内からは運用先として疑問視する声が上がりました。寺崎容疑者は3億円分のファンド購入を理事会で提案まししたが、反対意見が出て最終的に2億円に決まったとのことです。

一任契約は2010年3月末まででしたが、同月上旬、寺崎容疑者が管理する口座に染谷容疑者から現金100万円が振り込まれたとされます。契約は更新されましたが、ファンドの価値は約1億8000万円まで下落し、今年3月に解約されました。

厚生年金基金の役職員は厚生年金保険法に基づき公務員とみなされ、刑法の収賄罪が適用されることとなります。