厚生労働省と日本年金機構は2012年7月24日、約5000万件の消えた年金記録問題で、2240万件の記録が解明できていないことを明らかにしました。コンピューターで管理している年金記録と原簿の紙台帳の内容が一致せず、誰のものか分からない記録が4割強も残っているということです。年金機構は「死亡などで手掛かりがつかめないものが多い」と説明しており、解明作業は難航しそうです。
消えた年金記録問題は、旧社会保険庁が名前や生年月日を間違えて記載するといったずさんな情報管理で生じました。厚労省は問題を受け、2007年から年金記録の解明を進めてきました。2855万件は解明され、1296万件の記録は正しくなりました。
厚労省は記録を回復できた人が生涯受け取る年金額は、1.6兆円増えたとしています。
これまでは年金受給者の記録を優先して確認してきましたが、公的年金加入者の記録を全件照合します。30代から50代までの3030万人を対象に、コンピューター上の記録と紙台帳の記録を突き合わせ、加入者を確認します。作業は13年度中に終了する見込みです。