印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省は6日、発症者や遺族から申請された労災認定を判断する専門家の検討会の初会合を開きました。検討会は厚労省労災補償部長の私的懇談会で、病理学や内科学、公衆衛生学などの専門家8人で構成されています。病気の因果関係を検討し、 認定が可能かどうかを判定します。これをもとに、申請を受けつけた各地の労働基準監督署が最終判断をします。
発症との関連が指摘されている化学物質は「ジクロロメタン」と「ジクロロプロパン」。胆管がんと化学物質の関係については、大阪市立大の教授を中心とした厚労省研究班が疫学調査を進めているが、調査期間は2014年末までで結論に時間がかかる可能性があります。
厚生労働者は申請者の早期救済を図るため、研究班の結論をまたずに検討会で労災認定を判断することにしました。死亡後5年を過ぎ、労災申請上の時効が成立した人もいるが、同省は時効の起算点についても検討しています。