障害の程度を認定する医師の診断書がないことを理由に、夫の障害厚生年金の申請が却下されたのは不当として、名古屋市西区の女性(51)が国に却下処分の取り消しを求めた訴訟の判決が2013年1月17日、名古屋地裁でありました。
福井章代裁判長は「診断書がなくても、障害の認定は可能」と述べ、処分を取り消すよう命じました。
判決によると、女性の夫は1993年10月、名古屋市内の病院から胃がんと診断され、自宅療養を続けましたが、2001年2月に亡くなりました。女性は 07年9月に夫の障害厚生年金を請求。社会保険庁は、93年10月の初診時から1年半後の診断書がないことを理由に、請求を却下していました。
判決は、「国は障害の状態を判断するための基礎資料を医師の診断書と限定しておらず、医師の証明書や夫の日記から病状を認定できる」と指摘。夫は当時、頭痛やめまいから軽い労働ができない状態だったとして、請求の却下は違法と判断しました。