【労働経済】企業倒産、円滑化法終了後も低水準 4月の倒産件数22年ぶり900件割れる

東京商工リサーチが5月10日発表した4月の全国倒産件数(負債額1000万円以上)は、2012年同月比10.4%減の899件と、22年ぶりに900件を割り込みました。中小企業金融円滑化法が3月末で終了しましたが、倒産が低水準で推移しているのは政策効果が持続しているとみられます。
政府は、円滑化法終了後も返済条件の緩和に応じるよう金融機関に要請しているようです。銀行側も「円滑化法終了後も対応は変わらない」としています。長期的な目線で見ると今後は、資金繰り支援を受けた中小企業の経営再建が問題となりそうです。

しかし、負債総額は約3倍増の6859億円にのぼりました。特別清算の開始決定を受けた札幌市の不動産会社の負債が5061億円が押し上げた形となっています。

業種別の倒産件件数は10業種のうち5業種で減少しました。建設業や小売業、不動産業などが減り、運輸業や金融・保険業といった業種では増加しています。地域別では、9地域のうち北海道、関東、北陸、近畿、九州の5地区で企業倒産が減っています。

円安の進行に伴って「中小・零細企業を中心に燃料や建築資材の調達費用の増加が幅広い業種に波及することが見込まれるとも指摘されています。