【労働経済】シャープの広島3工場、離職者520人に―広島労働局が再就職支援

2012年11月20日、広島労働局はシャープの希望退職により広島県内の3工場で520人規模の離職者が発生することを明らかにしました。同日付で労働局長を本部長とする雇用対策本部を発足しており、各工場に出向き求職活動や雇用保険について相談会を開催するなど再就職を手厚く支援する方針です。

シャープでは中国地方では広島県福山市、東広島市、三原市に工場があり、電子部品、スマートフォンなど携帯電話、発光ダイオード(LED)などを生産しています。3工場の従業員数は3月末時点で約4300人でした。

同日シャープが発表した希望退職者数は2960人で、県内3工場は約520人となりました。12月15日に退職となります。県内の9月の有効求職者数は5万4600人で、今回の退職者数は約1%に相当する規模です。

労働局は今後、3工場に出向き、それぞれ2~3回の相談会を実施し、就職応募書類の書き方などについての助言や、市営住宅などの情報の提供をします。各地のハローワークでも特別相談窓口を設置し、相談体制を手厚くして、広島県などと連携し自治体の間の情報共有も進めます。

水野知親局長は記者会見で「関連する取引先でも離職者が出てくる可能性がある」との認識を示しました。広島労働局で対策本部を設置するのは、 2008年の金融危機以来、約4年ぶりとのことです。支援体制を迅速に用意し、域内の雇用環境に悪影響が広がるのを防止する方針です。