旧農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務していた当時30代の男性職員が自殺したのは、過重な業務で発症したうつ病が原因として、大阪府吹田市の妻らが約1億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は3月6日、うつ病と業務の因果関係を認め、公庫に約8900万円の賠償を命じました。
判決理由で裁判長は、男性は業務の心理的負荷でうつ病を発症したと認定し、「公庫は健康状態が悪化しないよう適切な措置を取る義務を怠った」と指摘しました。しかし、男性が健康上の問題を公庫に相談しなかった点については過失があるとして、賠償額を減額しました。
男性は高松支店から長崎支店に転勤した直後の2005年5月頃にうつ病を発症し、7月に自殺しました。転勤直前には月100時間近くの残業を行っていました。高松労働基準監督署は07年12月に労災認定していました。