【年金・医療】社会保障改革 「プログラム法案」骨子を閣議決定

政府は8月21日、社会保障制度改革の実施時期を明らかにした「プログラム法案」の骨子を閣議決定しました。平成26年度から29年度までに政府が実施する政策を挙げ、10月の臨時国会で法案を提出します。法案成立後に分野別の法案を平成26年の通常国会から提出する予定です。

骨子は少子化対策・医療・介護・年金の社会保障4分野で、消費税率の引き上げを前提に、給付と負担の見直し策を網羅した。社会保障が高齢者への給付に 偏ってきた点を踏まえ、若い世代向けに少子化対策を盛り込んだ。26年度までに20万人分の保育の受け皿を作るなど、消費増税による税収増の一部(約 7000億円)を給付充実に使います。

政府はまず70~74歳の医療費窓口負担の引き上げを平成26年度にも実施する方針です。現行の1割から段階的に2割に引き上げます。反発を避けるた め、新たに70歳になる人から5年かけて段階的を実施します。

自営業者らが加入する国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移管(平成29年度までに実施)を盛り込みました。国保の赤字を埋めるため健康保険組合 の負担を平成27年度から増やします。

介護分野の施策は「平成27年度をメドに講ずる」ことを目指す。一律1割となっている介護サービスの利用者の自己負担を一定以上の所得のある人は引き上げる。介護で「要支援1、2」の人を段階的に自治体事業に移行(平成27年度実施)します。

社会保障給付費の約半分を占める年金では支給開始年齢の引き上げなどの給付の抑制を検討課題として挙げましたが、いつ具体策を検討するか時期は明記されず、中長期的な課題とするにとどめています。